2015年9月14日月曜日

ご注意を!

最近ビンテージパーツやビンテージフレームの値段、結構高騰してます。

オークションなどではその瞬間の需要と供給のバランスで落札価格が決まるので、安いからといってそのモノ自体に価値ないとか、高いから価値があるとは限りません。

買い手が納得すれば値段はいくらでも問題はないのですが、せっかく高いお金を出して手に入れても使い物にならないモノ、オーバーホールにお金がかかるモノ、修理不能のモノ、使用すると危険なモノなどがあるのでご注意を!

サスペンションフォークの旧いモノはほとんどそのままでは使えない、もしくはオーバーホールしないとすぐにトラブルが出ると覚悟した方が賢明です。
最新のサスフォークでさえ、年に一度以上のオーバーホールが必要です。まして経年劣化の激しいモノ、何年も使用されないで保管されていたモノ、たとえデッドストックの新品未使用品でさえ3年も経過してたら、いつ何が起きても不思議ではありません。
機密性を保つ Oリングやシールはゴム製か樹脂製なので必ず経年劣化、磨耗する消耗部品です。年に一回以上の交換が必要です!

もしどうしても憧れて手に入れたとしても、盆栽自転車用や飾り物としてならまだしも、使用するなら必ず修理やオーバーホールが必要だという事を肝に命じましょう。

特にダンパーにオイルを使ってるモノや、エアサスのモノはパーツの消耗が激しい上にトラブルが出てもパーツが手に入らず修理不可能なモノが多いです!純正パーツは入手不可能でも、社外品の適応品や代替品の知識がない場合、手を出さないのが賢明です。

では私の経験上 実際にトラブルが多い例や 危険なパーツについて、書いてみます!

サスペンションフォークは危険だけど、リジッドフォークは安全か?
意外と知られてない落とし穴があります。例えば私の愛して止まないパーツブランド「シンクロス」!

このフォークはタマ数が少ない上に 人気があるので 高値で取り引きされてると思いますが、バリバリにアグレッシブなライダーにはオススメできません。
画像の線が入ってる部分でフォークエンドが圧入接着されてますが、ここが抜けちゃった例をたくさん目撃してきました。画像がなくてすいません。
極端に弱いわけではありませんが、ジャンプ系のライディングにはオススメしません。常に注意して乗ってください。高速走行中に急ブレーキをかけた時に万が一抜けたら...

想像するだけで恐ろしいです。

またクロモリユニクラウンのフォークでも、変形やクラックがないかを良く確認した方がいいです!クラッシュ歴のあるフォークは真っ直ぐ走らなかったり、強度に不安が残ります。特にフロント回りが折れたり、タイヤがロックする事に結びつくパーツは、重大事故の要因になるので慎重になり過ぎるくらいがいいです!

ここまで書いて 今チラっと思いましたが、この記事は特定のメーカーやお店、個人の商売の妨害を目的としてるわけではありません。最悪の場合 命に関わる事なので、念のために意識した方がいいと思う事を書かせてもらってます。

もともと20年以上も前のパーツに保証を求める方は居ないと思いますが、憧れのパーツを盲目的に信じ入手してケガをしたり、がっかりしないように注意してください。

私はシンクロスが大好きで、前にも書いた通り 製造現場を見たいのを我慢出来ずカナダの工場見学に行ってしまったくらいです!シンクロスには何の恨みは無いどころか感謝と尊敬の念をもっております。

さほど多くはありませんがシートポストのトラブルも幾つか見ました!
ヤグラがシートポストのパイプの上端で圧入されてますが、やはり抜けてしまった例を幾つか見ました。コレはサドルに衝撃やストレスをかけ過ぎた事により、圧入されてるパイプ部分にヒビが入ってしまい、左右に捻ると回転するようになり、引っ張ると抜けてしまいます。販売店や出品者に悪意が無く気付かないで販売されるケースがあると思います。必ず圧入されてる部分にヒビや変形が無いかを確認してからの購入をオススメします。

コレはグラフトンの折れたクランクですが、一撃で折れる事は稀です。例えば ある時岩にヒットして少しだけヒビが入ってしまい それに気づかないで乗ってるうちに少しずつヒビが拡大し、ある日軽く漕いだだけでポロっと折れる...といった例がほとんどです。ハンドルバーでもそういう例は多いです!
やはり出品者や販売店が気づかないで売ってしまう事が予想されます。必ず小さなヒビやダメージが無いかを確認してから 購入して欲しいです。突然のクランク折れも、重大事故につながります!!

最新モノでも締めすぎによる破断やクラックは良く見かけます。上の画像は人気ナンバー1のトムソンですが、ステアリングコラムをクランプする部分や、ハンドルバーをクランプする部分の破断やクラックに十分注意してください。やはり小さなクラックの存在に気づかないで販売されてるケースがあります。

一時期一世を風靡したアゾニックのショーティステム。ステアリングコラムをクランプする構造が厳しく言えば欠陥です。その証拠はその次のモデルは一般的な上下が割れた構造に変わります!
この改良をした事は 自ら非を認めたと言っても過言では無いでしょう。

下から見ると割れてます。

が、、、

上から見ると
割り がありません。下側だけしか締まらない構造です。当然予想されるとおり締め付けが弱くなります。弱いから強く締めたくなるのが人情です!当たり前ですねー。そして強く締めても動いてしまう...ので もっと締める...

精度の高いステコラならギリ固定できますが、ほとんどのステアリングコラムはさほど精度も高く無いので、かなり強く締めなければ十分な固定が得られませんが、何度か繰り返すうちにネジ山が耐え切れず...舐めてしまうorz

そういう例が多々あります!

実際に某有名中古自転車屋から ショーティステムを2回買って、2回連続ネジ山を舐めた商品が届いた友達が身近に存在してます。パッと見は見てもわからない部分ですが、必ずネジ山が正常か確認してから購入、使用してください。
突然のステム回りのトラブルも重大事故直結です!!!

またリングルのハブは硬くて上質なアルミを使ってます。軽くて丈夫なハズなのですが、画像のようなフランジの破断を良く見かけます。アルミが上質過ぎて、粘りや柔軟性がないようです!リングルのハブを使ってる方は毎回乗る前にチェックした方が良さそうです。

このスピナジーも一見問題無さそうに見えますが危ないです。おまけに修理不能です。

このように4本のスポークでリムにジョイントされていればOKです。

一番右のスポークが切れてます。

これは隙間を注意深くチェックしないと見落としがちです。このまま使用するのはもちろん危険です。

ホイール回りのトラブルは特にフロントホイールが突然ロックするようなケースは、超重大事故を避けられません。私自身も経験ありますが、奇跡的に助かりました。肋骨が陥没し、膝の骨が露出した程度で済みました。(^O^)/

クランクの曲がりは重大事故には繋がらないとは思いますが、ついでに書きます。
旧いスクエアBBのクランクの曲がりは画像のように左右のクランクを水平な場所に置いて、高さが同じならOKです。クランクは組み付けてペダルを漕いで違和感が出て初めて気づく方も多いですが、上記の方法で簡単に異常がないかチェックできます。

書くとキリがないので 次で最後にします。

フリーやカセットスプロケットも見た目は正常でも実際組み付けて漕ぐと歯飛びする例が結構あります。
こちらはボスフリー。
こちらはカセットスプロケットのロー側のユニット。

もし予備の歯を持っていれば分解すれば 上の二つは歯の交換が可能なタイプです。

こちらはネジではなくピンを圧入して歯を固定しているので、歯の交換は難しいです。

スプロケットの磨耗を見てわかる人は相当の達人です。私は見ただけでは判断できません。orz
フリーやカセットスプロケットは中古品に手を出さない方が無難です。

旧いパーツは魅力的ですが、かなりのリスクを伴う事、基本的に自己責任の世界であると言えるでしょう。

みなさん!楽しい旧車ライフを!^ ^