2015年12月28日月曜日

P23で仕事納め

サムズバイクは本日で年内の営業を終了します。今年もお世話になりました。

年末に向けて 来客も多く、イベントも多く目まぐるしい日々でしたが、皆さんもカラダ壊さないように頑張ってください。

さて、毎日のようにリム組に追われてる私ですが、今日も3本程仕上げました。
こちらは最近も紹介した横チンリムです。(^O^)/
あと私が大好きなベロシティの29インチリム!
このリムはとても質も高く、精度も良いので使ってみたいです!!

が、私 29er持ってません...orz

スチームローラに履けないかなー?

などと想いを巡らせながらのリム組作業は相変わらず楽しいです!

年内最後の仕事は、ずーっと気になっていながら仕上げられずにいたP23のレストアです。
お客様の ユックリでいいと言うお言葉にすっかり甘えてしまい、今日になってしまいました。
前回このblogで紹介したのが10/27ですから2ヶ月前です。本当にお待たせしてすいませんでした!m(__)m

このマシンは前後のリムのコンディションが非常に悪く全てのスポークを緩めて、ほぼ組み直しました!
真円度もトルクも完璧に仕上げました。これから安心して何年も乗ってもらえそうです。
ブレーキシューの交換の際、ブレーキ小物が変形してたので、ヤスリなどで整形します。
ダイアコンペ製のブレーキパーツは変形しやすく注意が必要です。

グリップはWTB指定でしたが、ずっと欠品していたリッチーが入荷したので、独断と偏見でこちらに変更。

いい感じです。
指定頂いたチャージのタイヤを装着して、第一ラウンド終了。(ここ迄の作業は11/24)

仕事納めの今日 この続きをして完了させようと思います。
ヘッドセットのグリースアップとワイヤー総交換です。

びほー
あふたー
汚れはありましたが、下ワンもベアリングもまだ使えそうです!
ベアリングも光沢があり生きてます!
私の経験上一番信頼してるニューテックのグリースを使いリビルトしました。
あとチェーンレングスがシマノ指定の長さより長かったので、適正な長さにカット。リアメカがショートなので絶対この方が調子良いハズです!

黄色いチェーンプロテクターがボロボロで剥がれていたので、これも交換。
色的に黄色は排除したかったのも理由です。(^^;;
チェーンステイを脱脂してから無難にクリアーのシールタイプを採用。
チェーンはかなり汚れていて、オイルも硬化していたので、タクリーノの新兵器投入。洗浄と注油が同時にできる優れモノです。

前後のディレイラーを調整しようとクランクを回すと問題発生!!
画像では分かりにくいですが、ミドル2箇所、アウター2箇所にギアの変形があり、チェーンがうまく噛み合わず浮いてしまう現象が...

ヤスリとハンマーで整形し、なんとか使えるようになりました。

あとは、ワイヤー交換です。
ありゃ?
またまた問題発生。
ワイヤーを外して、ブレーキレバーを握り 離しても戻らない!ここは重力のない宇宙か!!
いいえ!リッチーのレバーはシマノと同じように積極的に戻るようにバネが仕込まれているので、無重力の世界でも戻るハズなのです。

レバーのピボットネジの締め過ぎでもこの症状は出ますが、今回はやはり汚れが原因です。
左レバーも同じ症状です。
クリーニングと注油で簡単に調子良くなりました。私は個人的に 戻りの悪いブレーキは許せません。

さてシフトワイヤーは またまた独断と偏見でリア(右レバー)のサムシフターのアウターワイヤーをフレームの左のアウター受けに、フロント(左レバー)のアウターを右のアウター受けにルーテングしました。
真上から見るとこんな感じです。通常とは逆です。

そしてダウンチューブの下でクロスさせて、本来の方向へインナーワイヤーを導きます。
こうすることによって、アウターワイヤーが常にヘッドチューブに擦れてしまう現象を防ぐ事ができます。それとワイヤーの流れが自然なカーブを描くので、ほんの少し引きが軽くなります。

そして最後にブレーキワイヤーの交換です。

ここでもう一度上の画像を見てください!

トップチューブの左側にリアブレーキのアウター受けが見えますよね。

アメリカ人は右レバーが後ブレーキなので 左側に受けがある方が、ワイヤーーの流れが自然です。平たく言うとこの自転車は、右後ろブレーキ用に作られています。
というより、全てのマウンテンバイクとBMXは右レバーが後ろブレーキという前提で設計されてます。
私はたまたま右後ろブレーキなので気になりませんが、日本人の90%以上は左レバーが後ろブレーキです。
どうしても不自然なルーティングになります。

Vブレーキのブレーキバナナも、右後ろブレーキ前提です。
とくに右前ブレーキだと ブレーキワイヤーがS字を描いてしまいます。
日本のメーカーのシマノでさえ 日本人より、外国人優先なのです。市場の大きさが余りにも違うので仕方ないとは思います。

話がまた脱線しました。

今回はVブレーキではなくカンティーブレーキなので、ブレーキバナナは使いません。

アーチワイヤーも全て一新して P23君も気持ち良さそうです。
全ての作業が終わりました。

今年も色々な事がありましたが、大好きな旧車レストアで仕事納めできて幸せです。

もし、皆さんも旧車のレストアでお悩みがありましたら なんでも遠慮なく相談してください!