スポークだけの値段が7〜8万円という商品です。しかも後輪一輪分だけでです。もちろんハブとリムは別売りですから、後輪だけで確実に10万円オーバーですね!
当時としては画期的な製品ですがバブル全盛期だったのも手伝って爆発的にヒットしました!そして様々なバリエーションが生まれて行きました。
その名も Sugino「テンションディスク」
room36に現物があるのはコレです。
フリー側
一見ホイールカバーのようにみえますが全く違います。スポークの代わりにケブラーの糸で張るという製品です。黒っぽく見える部分はセロハンの様なものです。
*ここからは、Webから拝借した画像になります。
まずは組み立て前の状態。
ペラッペラです!こんなんで大丈夫なの?って当時は心配したものです!
当時の世界チャンピオン「John Tomac」も愛用してました。Tiogaブランドもありました!
当時私もTiogaブランドのモノを購入し、’88のJohnTomacモデルに装着してました。
初期の頃は、細くて目のこまかいステンレスメッシュで補強されていました。軽量化がだんだん進み、ロード用も出たりケブラーの編み方も変えたり、シートの色が変わったり、36Hから32Hも出たり...すべてを把握できない状況でした。
これはクリアーシートで編み方もシンプルな最軽量バージョン。
私が予想するに、おっかなびっくり発売してみたが意外と売れて評判も良くトラブルも少なかった。ならもっと軽く 、さらに軽くと進行していったように見えましたね(笑)。販売して消費者が実践して結果オーライみたいな。悪い意味では無く、それほどユニークで斬新でチャレンジングな製品だったと言えます。
この製品は、フロントサスは出て来たが、まだリアサスマシンほとんどない時期のリアのショック吸収の役割に貢献しました。乗るとゴォーーっという迫力ある独特の音を発し、軽くてペダリングロスもなく、でもしっかりリアタイヤの振動吸収をするという優れものでした。
そしてリアサスマシンの普及と共にテンションディスクは消えて行きました。当然の流れではありますが、今思い返すと一番マウンテンバイクにワクワクドキドキしてた時代だった〜懐かしいです。
テンションディスクのいくつかの欠点は、ハブのフランジ穴のPCDが一致するハブでしか組めない、同じくリムの直径(RD)も限られるという点です。
また組み立て作業がとても面倒で時間がかかりました。全てのネジにねじ止め剤も必要でした。空気を入れるのも専用のアダプターが必要で、ニップル回しも専用工具が必要でした。
上がSugino製 専用ニップル回し(ボックスレンチ付属)、下が空気を入れるアダプター(仏用)です。
ついでにテンションディスクのスモールパーツを紹介します。
左上のボルトとナットでフランジ部分を固定します。片面は楽なのですがもう一面を張るときは細いナットを手探りで当てて、専用工具のボックスレンチで共回りをおさえながら表側からプラスドライバーで留めて行きます。しかも高強度のねじ止め剤を1本ずつ塗りながら。一度完成したら、もう増し締めはできないので絶対緩まないようにしっかり締めるのは当たり前なのですが、細いネジなのでトルク管理が難しかったです。
シートには画像右下の丸いアルミ製ニップルがセットされていて、画像右上のネジをリムのスポーク穴に通して、プラスドライバーで仮止めしていきます。本締めは専用工具の平たい方を使って、シートとリムのわずかな隙間から回して組み上げて行きます。
テンションディスクを見た事無い方はよくわからなかったかもしれませんが、わかりやすい画像を見つけました。
まずはハブフランジ部分のジョイントです。ハブは当時のShimano DeoreXTです。